インビザライン(マウスピース型矯正装置・薬機法対象外)
インビザライン矯正とは
日本ではまだ認知度の低いマウスピース型矯正装置ですが、世界的に普及している背景には、従来の矯正器具のデメリットである、
- 見た目が悪い
- 喋りにくい
- 歯に食べ物が詰まる
- 虫歯になりやすい
などが解消された点が挙げられます。
そんなマウスピース型矯正装置のなかで最も普及しているインビザライン(薬機法対象外)は1990年代後半に米国のアライン・テクノロジー社によって開発された矯正システムで、日本では2006年より導入された非常に新しい技術です。
従来のマウスピース型矯正装置との大きな違いは、治療開始から終了までの流れをコンピューターで管理する点。担当医師が立てた治療計画のデータをアライン・テクノロジー社に送ることで、患者さまの口腔内のデータが三次元シミュレーションとして反映され、それに基づいたマウスピースがカスタムメイドで作製されます。
世界で約550万人(2018年現在)の患者さまが利用しており、アメリカで実施された調査によると、実際に治療を受けた約9割の患者さまから、「治療に満足した」との回答を得られたとのこと。実際臨床報告についての論文は多数存在し、学術専門誌で発表されています。
他のマウスピース型矯正装置との違い
マウスピース型矯正装置の特長は、ワイヤー矯正のようにギラギラとした見た目ではないので、スマートに治療が行える点ではないでしょうか。そのため、これまで矯正治療中の見た目が嫌だと矯正治療を諦めていた方には、是非とも利用していただきたい矯正システムだといえます。
しかしマウスピース型矯正装置にも多くの種類があり、それぞれに特長があります。
アソアライナー (薬機法対象外) | インビザライン (薬機法対象外) | |
---|---|---|
メリット | 比較的費用が安い |
適応症例が広い |
デメリット | 毎回型取りする必要がある 適応症例が狭い |
費用が高め |
適応症例 | 前歯のみの軽度な不正歯列 後戻りの再治療 |
難症例にも対応可能 |
治療費用(上下) | 40万円~90万円 | 40万円~110万円 |
治療期間 | 数ヶ月~2年程度 | 数ヶ月~2年程度 |
来院頻度 | 月に2回程度 | 2ヶ月に1回程度 |
装着時間/1日 | 17時間以上 | 20時間以上 |
マウスピース型矯正装置は様々なメーカーから販売されていますが、国内で広く使用されているものは、「アソアライナー」と「インビザライン」の2種類。(いずれも薬機法対象外)
両者の大きな違いは型取り方法で、アソアライナーをはじめとした一般的なマウスピース型矯正装置は、矯正の進み具合に合わせて何度も型取りを行います。反対にインビザラインは最初に治療計画・型取りを行い全てのマウスピースを一度にカスタムオーダーするため、忙しい方や頻繁に通院することが難しい方に向いています。
ただし、インビザラインは治療計画を正しく立てることのできる医師でなければ失敗する可能性もあります。インビザラインを受ける際は、正しい診断のできる矯正認定医や専門医のいる医院で治療を行いましょう。
マウスピース型矯正装置でインビザライン(薬機法対象外)が選ばれている理由
現在、マウスピース型矯正装置は非常に多くの種類が登場していますが、なかでもインビザライン(薬機法対象外)が選ばれている理由は、一括でコンピューター管理される世界550万人の矯正データから導き出される治療計画の精度の高さと適応症例の広さ、そしてその治療計画を患者さまご自身がコンピューター画面上でわかりやすく確認できる点です。治療ゴールまでの歯の動きを三次元シミュレーションで確認することで、患者さまの治療へのモチベーションがあがるため、一般的なマウスピース矯正よりも成功しやすいのではないでしょうか。
ただし、インビザラインは優れた矯正方法ですが、デメリットがないわけではありません。
下記にインビザラインのメリット・デメリットをまとめていますのでご覧ください。
インビザライン(薬機法対象外)のメリット・デメリット
メリット
矯正していることがわからない
透明なマウスピースなので、矯正していることがまわりにわからないことがマウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)の最大のメリットです。マウスピース(アライナー)の厚さは0.5mm以下なので、自分から言わない限り、マウスピースをつけていることは気づかれることはまずありません。
食事制限がない
従来のワイヤー矯正は食事中もつけっぱなしであるため、カレーやコーヒー、ワインなど色の濃い飲食物は着色の心配がありました。また、硬い食べ物も装置が壊れる可能性があります。
インビザラインを含むマウスピース型装置は食事の際に取り外しができるため、これらの心配をする必要がなくなり、通常通りに食事を楽しむことができます。
衛生的である
取り外しができるので、いつもと同じように歯みがきやフロスをかけることができます。また、マウスピースも簡単に洗浄することができるので、とても衛生的です。
治療計画が明確
世界中の症例をもとに矯正歯科医が監修するインビザラインの治療計画(クリンチェック)は、矯正後の歯列まで全て三次元シミュレーションできるので、明確に完成形がわかります。だから、治療計画から少しでもずれたらすぐに修正することが可能なのです。
金属を使わない
金属のワイヤーやブラケットを全く使わないので、審美性が高いだけでなく、金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。また、装置による口内炎の心配もほとんどありません。
痛みが少ない
1個のマウスピースでの移動量が決められているので、過度に力がかかることがなく、従来の矯正法に比べ痛みが少ないといわれています。
しゃべりやすい
裏側矯正にくらべ舌の動きを制限されないため、しゃべりやすいのが特長です。矯正を始めた初期では若干のしゃべりにくさを感じる人もいるようですが、ほとんどの方が1週間程度で慣れて違和感なくしゃべれています。
通院回数が少ない
毎回のワイヤー調整などがないため、1.5~2ヶ月に1度の通院で済みます。毎回の型取りなどもなく通院毎の負担が小さいのも大きな特長です。また、長期の海外渡航などで定期の来院が難しい方にはまとめてマウスピースをお渡しすることも可能です。
デメリット
自己管理が必要
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)は患者さまご自身でアライナー(マウスピース)を脱着するため、自己管理が非常に重要になります。アライナーを1日あたり20時間装着する必要がありますが、装着する時間が短かったりサボってしまったりすると、治療効果がでません。インビザラインは「取り外せる」ことが大きなメリットですが、「取り外せてしまう」ことがデメリットであるともいえます。
適用できない症例がある
奥歯の抜歯が必要など大掛かりな矯正治療はインビザライン単独では難しいとされています。しかし最近ではワイヤー矯正やインプラント矯正などと組み合わせることで治療が可能になってきたため、適応できる症例は非常に広くなったといえるでしょう。
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)の治療計画(クリンチェック)
インビザラインの特長のひとつに、明確な治療計画があります。患者さまの口腔内データを提供元のアライン・テクノロジー社に送ると、三次元シミュレーションによる治療計画(クリンチェック)が作成されます。担当医の知識と経験をもとに、このクリンチェックと実際の口内の状況と照らし合わせ、計画通りに歯が動くかどうかを確認、細部の調整をしたうえで治療を開始していきます。
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)の種類
フルタイプ
ベーシックなインビザラインです。各医院にて精密な型取りを行ったあと、型取りをもとにインビザラインの販売元であるアライン・テクノロジー社にて三次元シミュレーション(クリンチェック)とアライナー(マウスピース)を製作します。
ティーンタイプ
乳歯が数本程度残った状態のお子さまなど、10代の患者さまを対象としたインビザラインシステムです。インビザライン・フルと基本的には同じですが、歯の生え変わりを加味しつつ歯の移動を予測する点が大きく異なります。
ライトタイプ
比較的軽度な症例で、アライナーの製作枚数が14枚以内の場合は、インビザライン・ライトで対応することが可能です。ただし、14枚までとなると歯の隙間を埋めたり、軽い前歯の凸凹を綺麗にしたり程度の治療しか行うことができません。
i7
インビザラインライトよりも軽い症例の際は、インビザラインi7で対応することが可能です。アライナーの製作上限枚数は7枚と少ないため、非常に軽い症例にしか対応できません。
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)補助装置
矯正治療のスピードを速めたり、正しい治療へと導くためには、マウスピース型矯正装置専用の補助装置が欠かせません。当院では短時間で歯を動かすための小型インプラント(アンカースクリュー)なども料金内にて対応しております。
アタッチメント
インビザラインの特徴でもあるアタッチメントとは、歯の移動を補助するための装置で、虫歯の治療にも使用されるプラスティックを歯に直接取り付けます。歯の色と合わせることができるので、目立ちにくく、小さいので違和感も少ないです。
顎間ゴム
顎間ゴムとは、歯の移動を補助するゴムで、上下のアライナー同士を固定する際に使用します。上顎を引っ込めて下顎を出したいなどの症例に使用します。
アンカースクリュー
短時間で効率的に歯を動かすため、矯正用の小型インプラント(アンカースクリュー)とインビザラインを組み合わせて使用することがあります。このアンカースクリューは矯正治療終了後に撤去し、傷跡も1週間程度でほとんどなくなります。
※写真はワイヤー矯正との組み合わせです。
アライナーチューイ
アライナーと歯の密着度合いを高める器具です。アライナーを装着した状態で、ガムを噛むようにアライナーチューイを噛むことで、アライナーがギュッと押されて密着度が高まります。1日20分程度毎日噛んでいただくことが望ましく、使用すればするほど矯正治療効果が高まるとされています。
近赤外線を併用した治療
毎日10分、日常の合間に近赤外線を照射していただくことで、血行を促進させまた細胞エネルギーを活性化しながら矯正治療を行います。医科の分野では、整形外科においては外傷や骨折の治癒促進、ペインクリニックやリハビリ科での疼痛緩和などに用いられています。
専用洗浄剤
アライナーの洗浄剤で、1週間に1回程度使用していただきます。ぬるま湯に洗浄剤を溶かして浸すだけで、目に見えない小さな汚れも綺麗に取り除くことができます。通常の洗浄は、流水ですすぐ程度で大丈夫です。
専用洗浄剤
アライナーの洗浄剤で、1週間に1回程度使用していただきます。ぬるま湯に洗浄剤を溶かして浸すだけで、目に見えない小さな汚れも綺麗に取り除くことができます。通常の洗浄は、流水ですすぐ程度で大丈夫です。
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)矯正の流れ
カウンセリング[約40分]
お電話またはwebにてご予約ください。患者さまのお悩みをしっかりと伺ったうえで、当院で行っている各矯正方法(ワイヤー・マウスピース・インビザライン)についてのメリット・デメリットをご説明いたします。
また、患者さまがご希望される治療方法があれば、実際その治療法が行えるのかどうかをお口の状態を拝見したうえでお答えします。その場で治療のお申し込みをすすめるようなことはありません。一度ご自宅でゆっくりと治療を開始するかどうかをご検討ください。カウンセリングに費用はいただいておりません。

治療の検討
最終的に治療を始めるかどうかを決めるのは患者さまご自身です。時間も費用もかかる治療ですから、カウンセリングの内容を加味したうえでゆっくりご検討ください。
2回3回とカウンセリングにお越しいただく患者さまも少なくありません。当院では、患者さまの疑問が完全に解消された状態で、治療を開始したいと考えております。

精密検査[約40分]
検討の結果当院で矯正治療を開始したい患者さまは、まずはレントゲンなどを使用した精密検査を行います。虫歯や歯周病など、場合によっては矯正治療よりも先にそちらの治療を優先しなければなりません。精密検査の結果問題が無いと判断した患者さまのみ、正式な治療のお申し込みをしていただきます。

精密印象(型取り)
通常よりも非常に精密な型取りを行います。通常であればシリコンを使って型をとるため約1時間かかりますが、当院では光学式口腔内スキャナーを導入しているため、苦痛が少なく、正確でスピーディな型取りをすることができます。さらに治療開始までの期間短縮や、余計なコストが削減できるため、患者さんにとって多くのメリットを創出することができます。

治療計画
検査と型取りの結果をアライン・テクノロジー社に送ると、専門チームが三次元シミュレーションによる治療計画(クリンチェック)を作成します。当院では完成した治療計画を隅々までチェックし、矯正認定医としての経験から計画通りに歯が動くのかどうかを検証し、問題がある場合は修正を依頼します。

治療開始[約6ヶ月~3年]
約1ヵ月後、マウスピースが完成した段階でご来院いただきます。三次元シミュレーションを一緒に見ながら、今後どのように歯を動かしていくのかをご説明いたします。また、アライナーや補助装置の使い方、アライナー脱着の練習も行っていただきます。

定期通院[約20分~40分]
新しいアライナーの交換や、口腔内のチェックのためにも約1ヵ月半~2ヶ月に1回は通院していただきます。お仕事などで忙しい方の場合はまとめて数か月分のアライナーをお渡しすることも可能ですので、その際はご相談ください。

保定(歯の戻りを固定)[約1年半~2年]
歯並びが綺麗になったからといって、治療はここで終了ではありません。インビザライン(薬機法対象外)に限らず、矯正治療後の歯には元の場所に戻ろうとする性質があるため、マウスピースタイプのリテーナーと呼ばれる保定装置を使用して綺麗な歯並びを維持する必要があります。
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)の症例紹介
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比較すると適応症例が少ないと言われていますが、ワイヤー矯正やインプラント矯正と組み合わせることで、様々な症例に対応することができるのです。
歯並びが気になっているけれども、ワイヤー矯正の見た目が嫌で矯正治療に一歩踏み出せない方やインビザラインが気になる方は、一度当院で行った症例を参考にしてみてください。
インビザラインQ&A
世界各国ではメジャーとなりつつあるマウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)ですが、日本ではまだまだ一般的には普及していません。そのため身近な方のなかにインビザラインによる矯正治療を受けている方が少ないことから、皆さん様々な疑問をお持ちではないでしょうか。
患者さまから良く聞かれる疑問・質問をまとめましたので、ご覧ください。Q&Aを見ても分からないことがございましたら何でもお答えしますので、カウンセリングにお越しください。お待ちしております。
カウンセリング予約
マウスピース型矯正装置インビザライン(薬機法対象外)のカウンセリングをこちらから予約いただけます。カウンセリングに費用はいただいておりません。
ご希望日に予約不可となっていても、当日の状況により受けていただけることがありますので、お気軽にお電話ください。
TEL 03-3953-9000
※表示が乱れる場合は、こちらからご覧ください。